「固定資産の減損に係る会計基準」Q&A


 
(2)再評価を行った土地の取扱い
Q44
 「土地の再評価に関する法律」(土地再評価法)に基づいて再評価を行った土地について、減損会計上はどのような取扱いになるのでしょうか。




 意見書は、土地再評価法により再評価を行った土地については、再評価後の帳簿価額に基づいて減損会計を適用するとしています。しかし、減損処理を行った場合の土地再評価差額金の取扱い等については、企業会計基準委員会において適切に措置していくことが適切であるとされており、今後の要検討事項となっていますので、ここでは、どのような論点があるのかについて、簡単にふれたいと思います。
 まず、再評価した土地について減損処理を行った場合、土地再評価差額金の取崩しを行うかどうか、取崩しを行うとして、取崩額はどのように算出するのかが問題となります。再評価差額金の取崩しは、土地再評価法に要件が定められていますので、法律解釈も絡んでくる問題です。
 また、再評価差額金の取崩額は、損益計算書に計上される減損損失と相殺すべきではないかという考え方があるため、これについても検討がなされると思われます。土地再評価法に関する会計処理については、土地再評価法のほか、日本公認会計士協会が公表している「改正土地再評価法に関するQ&A」(リサーチセンター審理情報No.9)が、実務上の指針となっていますが、そこでは、再評価した土地を売却した場合の再評価差額金の取崩しについて、「土地売却損益を修正するためのものではなく、剰余金計算を通じて再評価差額金を未処分利益に繰り入れるための処理」と位置付けていますので、これとの整合性を考える必要性もあると思われます。





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