|
9.減損会計に関するその他の論点
(1)中間会計期間において減損処理を行った資産に係る取扱い
Q43
意見書では、中間会計期間において減損処理を行った資産に係る取扱いが、企業会計基準委員会において措置すべき事項として例示されています。これについては、どのような論点があるのでしょうか。
|
|
A
中間財務諸表(連結を含む)に関する現行の会計基準は実績主義の考え方によっているため、中間財務諸表においても、年度決算と同様の基準による減損会計が適用されるという点については、議論の余地はあまりないと考えられます。
しかし、中間財務諸表で減損損失を計上した場合の年度決算における取扱いについては、考え方が分かれます。つまり、中間決算で行われた減損処理後の帳簿価額を基礎として(洗い替えを行わないで)、下半期の減価償却、減損処理、資産の処分等の会計処理を行う方法と、中間決算で行われた減損処理を一旦洗い替えたうえで(すなわち、減損処理前の帳簿価額に戻して)、年度決算であらためて減損損失の認識と測定を行う方法があり、いずれを採用するかが論点となりうると思われます。
「固定資産の会計処理に関する審議の経過報告」においては、実務面等を考慮して、前者の考え方(洗い替えしない方法)がとられていました。他方、中間財務諸表作成基準注解においては、「年度決算では、中間会計期間を含む事業年度全体を対象として改めて会計処理が行われるため、中間決算の基礎となった金額とは異なる金額が計上される場合がある」としており、たな卸資産や有価証券の低価基準による評価損について、洗い替えする方法が示されています。
中間財務諸表の基本的な考え方にも関係する論点ですので、企業会計基準委員会において十分な検討が行われるものと思われます。
|
|
|
|