「固定資産の減損に係る会計基準」Q&A


 
(7)共用資産の取扱い
Q28
 共用資産とは、どのような資産ですか。




 意見書は、複数の資産又は資産グループの将来キャッシュ・フローの生成に寄与する資産(のれんを除く)を、共用資産としています。国際会計基準では同様の資産を「全社資産」と呼んでいますが、本社部門の建物のような企業全体に関連する資産だけでなく、一部の部門にのみ関連する資産も含んだ概念であるため、意見書では「共用資産」としています。
 ある資産が共用資産に該当するかどうかは、資産のグルーピングと係わっています。例えば、工場の製造ラインごとに資産をグルーピングした場合には、その工場全体で使われる事務所施設や物流施設は複数の製造ラインのキャッシュ・フロー生成に寄与する共用資産となりますが、工場全体をひとつの資産グループとする場合には、これらの資産はその資産グループの構成資産となります。
 共用資産については、短期に処分する予定である場合などを除き、回収可能価額(特に使用価値)を単独で算定することは、できません。そこで、共用資産がキャッシュ・フローの生成に寄与している他の資産又は資産グループとの関係において、どのような単位で資産のグルーピングを行うかということが重要となります。





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