「固定資産の減損に係る会計基準」Q&A


 
(5)使用価値の算定に際し用いられる割引率
Q23
 使用価値は、将来キャッシュ・フローを割り引いて算定されますが、その際に用いられる割引率としては、どのような率を適用すればよいのでしょうか。




 使用価値には、貨幣の時間価値と、将来キャッシュ・フローがその見積値から乖離するリスクの両方を反映させる必要があります。
 貨幣の時間価値は割引率に反映されますが、将来キャッシュ・フローがその見積値から乖離するリスクを反映させる方法としては、キャッシュ・フローに反映させる方法と、割引率に反映させる方法があり、意見書はいずれの方法も認めています。
 前者の方法を採用した場合、割引率は貨幣の時間価値だけを反映した無リスクの割引率となり、後者の方法を採用した場合には、貨幣の時間価値と、将来キャッシュ・フローがその見積値から乖離するリスクの両方を反映したものとなります。
  なお、リスクにはさまざまな意味がありますが、意見書は「将来キャッシュ・フローがその見積値から乖離するリスク」といっているので、予想されるキャッシュ・フローがちらばっていることをリスクととらえ、ちらばりの程度(分散)が高いほどリスクが高いとしているものと思われます。
 また、将来キャッシュ・フローが税引前の数値であることと対応して、割引率も税引前の数値を用いるとされています。





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