「固定資産の減損に係る会計基準」Q&A


 
3)減損損失の測定と会計処理
Q13
 意見書は、減損損失を認識する場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額することを定めています。回収可能価額とは、どのような金額なのでしょうか。




 減損会計は、資産の収益性が低下した場合に、その回収可能性を帳簿価額に反映させるために行われる処理であると考えられます。したがって、減損処理を行う場合には、資産又は資産グループから企業が資金を回収できる金額まで、帳簿価額を減額することが適当です。
 このような考え方から、意見書は、減損損失を認識すべきであると判定された資産又は資産グループについては、帳簿価額を以下に述べる回収可能価額まで減額することを定めています。
 回収可能価額は、資産又は資産グループの正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額をいうとされています。
 正味売却価額とは、資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定される金額です。これは、資産又は資産グループを現時点において市場で売却した場合に回収される金額であると考えられます。
 使用価値は、資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値と定義されています。これは、資産又は資産グループの使用(使用後の処分を含む)から回収される金額であると考えられます。固定資産の場合、使用から得られるキャッシュ・フローは長期にわたって生ずるものであるため、キャッシュ・フローを割り引いて算定される金額が用いられます。





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